東方紺充電合作の制作秘話
あけましておめでとうございます。
僕は年越しは10選生で盛り上がっていました。ピロミー! 顔見せてー!
ところで、年越しの忙しさのせいで去年やり残したことはないでしょうか?
見ましたか? 見ていない人は今すぐ見ましょう。
今回、僕は紺充電合作のほうのOP、1面、そして各パートのサブタイトルの文字出力を担当しました。
この記事では自分のパートの制作秘話を書いていきます。
前もって言っておきますが、このパートは自分の今まで積み上げてきたものを総動員した自分史上最高のパートになっていると自負しています。
コンセプト
今回の僕のパートのコンセプトは「横田三吉参戦」に尽きます。
どうやって発想したかは忘れましたが、たぶん「ワシは絶対に死なん!」が使えると思ったからだと思います。そんなこんなでいろいろネタを発想していくうちに横田三吉自機化路線が現実味を帯びてきたので、「自機にとってのプロローグ」でもある1面が妥当だろうということで希望しました。
ついでに、前フリを利かせるためにOPも頼んで作らせてもらいました。1面の職権濫用だなあ。
音声の技術的な話
まずは参考までに、横田三吉のセリフを全部書き出しておきます。赤字は、サビ以降で使ったセリフです。気付くことはないでしょうか?
ごらんオサム、綺麗な満月だよ。オサムや、あのお月様には何が住んでいると思う?
馬鹿者!そんなことを聞いておらん!
大馬鹿者!月にはウサギさんが居て餅をついておるのじゃ!
な、何がおかしい!んー…
1、2、1、2、よし、よし、よし、よし、あっ…あー…
おっ、ちゃっぷちゃっぷらんらんらん
あぁ?んー…
あぁ…んんー…
どこを歩こうがわしの勝手だい!クソー!あだっ…
うひゃー!
あぁ、嫌だ嫌だ!機械機械機械!機械が人間よりも偉いというのか!こんな世の中生きていても仕方がない!あー!
この世に未練は無い…オサムよ、丈夫に育て…
あたー…南無三、もう一度だ、もっと丈夫な枝に…ん?どうしたことだ!?誰だ!
何ぃ!?
断る!お前たちの手は借りん!
気が変わったのだ!わしは絶対に死なん!
おぉ…
あぁ…
オサム!
オサム…すまん、死ぬなどわしが間違っていた…
なにぃ!?馬鹿者!時代遅れとはなんじゃー!
セリフ合わせのこだわり
セリフ合わせをする上で自分のこだわりとして、①あるキャラにセリフを言わせるとき、そのキャラ(のコラ元)とその元のセリフの主を極力統一する、②人力VOCALOIDで別のセリフを作ることは極力避けるの2つがあります。②は僕も昔多用していたので補足すると、人力で別のセリフを言わせるのは最終手段であると認識しています。固有名詞とかならまだしも、もしかしたらそこで言わせたいセリフは別の既にあるセリフで代替できるかもしれない。そうなったとき、「無理やり言わせること」は「すでにあるセリフを使うこと」よりも聞き取りづらくなるし、なにより「自然さ」を損なうと考えています。人工的なものにもそれはそれで良さはあるとは思いますが、僕は自然を追い求めたいです。
もちろん、このこだわりは通し抜くのがかなり難しいです。しゃべらせたいセリフがあって、それに合うセリフがないとき(固有名詞とか)はこだわりを破らざるを得ないですし、僕もそうしてきました。ただ、最終手段は使うのを最小限にしたいという話です。
そして、今回の合作では、主人公である三吉についてほとんどこだわりを通しきれた(タイガーMの雄たけびだけは例外)。三吉は1話にしか出てこないちょい役にもかかわらず。これが、自分史上最高のパートになったと自負している所以の一つ目です。
言葉遊び
僕の理想とするセリフ合わせは、「元からあるセリフに別の意味合いを持たせること」だと考えています。つまり、言葉遊びです。
今回は、その言葉遊びが綺麗に炸裂したと自負しています。これが、自分史上最高のパートになったと自負している所以の二つ目です。具体的にはこんな感じで。
- 「そんなことを聞いておらん!」→「効いておらん!」
- 「気が変わったのだ、ワシは絶対に死なん!」→「ワシは変わったのだ、絶対に死なん!」
- 「月にはウサギさんがいて餅を搗いておるのじゃ!」→「ウサギさんが憑いておるのじゃ!」
1つめと3つめは同音異義語がうまく使えました。2つめはセリフの並び替えですね。
こういう言葉遊びも音MADの魅力の一つだと思います。なんなら音MAD以外でこういう言葉遊びができる機会もあまりないでしょう。大事にしていきたい。
映像の技術的な話
東方原作の素材を使う
東方原作の素材を手に入れるのにTouhouSuperExtractorは便利です。あまり声を大にして言えることではないと思います。でも、そもそも音MADをやっている時点でこれくらい使っても大して変わらないと思います。
TouhouSuperExtractor - 東方Tools Wiki*
フォントを合わせる
でもすべてがそれだけでまかなえるわけではありません。オリジナルの素材を作りたいときはもちろんあるでしょう。
さて、こんな感じで東方の何かを再現したいアナタ。原作で使われているフォントを使いたいですよね? でも、フォントの名前がわからないと、使うことはおろかどうやって調べていいかもわからないと思います。
こういうときにタウンページが便利なんですよ。
550円です。買ってね!
実際僕も作っている途中にこれを結構参照しました。よく作ったなあ。
ちなみにここで使ったフォント自体はLETSと契約していれば使えます。(LETSについては以前の記事も参照)
展開解説
OP
「東方紺充電を研が実況プレイすると、謎の自機キャラが出現している」というストーリーです。
ちなみに、東方紺珠伝のアスペクト比は4:3です。
イントロ(0:24~0:37)
言わずもがなスマブラの参戦ムービーを意識しています。こいつが何者なのかをまずは見せるためにまずはスロースタートで始め、力をためて参戦決定カットで一気に本編へ。
サビ前半(0:37~0:48)
ゆっくり説明すると、
紺珠伝のバックストーリーでは、幻想郷は金属製の蜘蛛からの侵攻を受けていた。機械嫌いの三吉は、その金属製の蜘蛛の存在自体が気に入らなかった。その三吉の嫌悪を利用しようとした永遠亭は、三吉に紺珠の薬を飲ませ月へ向かわせることを画策する。鈴仙は三吉のもとに現れ、紺珠の薬を渡す。しかし、三吉はこれを拒否した。三吉にとっては、紺珠の薬も忌まわしいテクノロジーの産物の一つに過ぎないからである。しかし、抵抗虚しく飲まされてしまう。
ということです。
少し展開が速いことは反省しています。それくらいにはこの原曲の短さで実現したいことが多かった。
ちなみに下に字幕入れるのは音MADユニバースを意識しています。最近飽きられつつあるユニバースですが、ストーリーを音声で補強すればまだ闘えると信じています。
サビ後半(0:48~1:05)
紺珠の薬の力で覚醒した三吉。そこに清蘭が立ち向かう。三吉は一度はやられてしまうものの、それをなかったことにして決めボムで打破する。
最近ようやく原曲をいじることを覚えました。うまく使うとおもしろいですね。
ここでのボムは鈴仙のボム「障壁波動(イビルアンジュレーション)」です。つまり、三発まで被弾を無効化します。(ピチューン音はミスリードなので入れませんでした)
アウトロ(1:05~1:16)
横田三吉の参戦、当然そんなに盛り上がらなかったというオチです。
伏線でした。そんなどうでもいい伏線があるか
最後に
この合作はなんか僕が中心となって動いているように見えますが、実のところ主催は僕ではなく上井さんです。僕はただの〆切に大幅に遅刻した悪い人です。
ではなんで僕が投稿しているのかというと、上井さんが直々に任命してくださったからです。企画して誘っていただいて、そして大事なところに据えていただいて、上井さんには本当に頭が上がりません。本当にありがとうございます。
他のパートの人もお疲れ様でした。各作者の個性が出ている良い合作に仕上がったと思います。
素材配布コーナー
今回は珍しくあまり描いていないです。結構忙しかったのもあって、描くと完成しないと思ったので省エネ気味にいきました。