こんなところ学園祭の裏話


ブログは久しぶりの更新ですね。ヒカマニ外伝とか卵合作とかすっ飛ばしてしまいました。体力が……。

これに参加したので、これについてつらつらと書いていきます。

 

選曲

なんと今回は初期段階から誘っていただき、選曲もやらせていただきました。ありがたいことです。

1曲~2曲を選ぶ権利がありましたが、忙しいことが予想されたので1曲にしました。

もう気付けば参加者の中で2番目に古参(かぶとばぐさんの次)なわけです。テチガイ一斉削除事件は見る専として経験しました。さて、リメイク合作は今まで何回か行われてきましたが、選曲者が音MAD作者である以上、作者の世代交代が進む今、削除された動画は忘れ去られ選曲されない運命にあります。しかし、そういうのをリメイクしてこそリメイク合作なんじゃないかと思い、削除された動画の中から選曲しました。「究極キチガイレストラン!お研のジュラル亭!」は、いすぃさんの処女作として選曲されるに値すると思います。

 

希望を提出してしばらく経ったあと、曲順が公開されました。なんか最後から2番目でした。エンドロールの前。ツクツク動画超連弾のあずまうどさんポジションかよ。実際はこっちがそう感じただけかもしれませんが、期待されてるんだなあと感じましたし、だからこそ頑張ろうと思いました。その結果、頑張りすぎて〆切にはだいぶ遅れちゃいました……。

コンセプト

仕込んだ小ネタ解説は野暮と気付いたのであえてしませんが、大局的なコンセプトと技術面の話を解説していきます。

東方充電男といえば、チャー研の世界観で東方を構成するのがメジャーです。ただ、今回はアレンジ曲で歌詞が既にあるというのもあって、それがやりづらかったので、その逆「元のPVの世界観でチャー研を構成する」という形式をとりました。あずまうどさんのような3DCGは使えないけど、こちらの武器である手描きを使えば十分に闘えるはず……!

音MADの定義は音声にあります。なので、映像については比較的自由にできるんじゃないかなあと思っています。映像について音MADの「地平」を離れたいなあとは4月の合作の頃からつくづく思っていました。たとえばストップモーションと融合してもいいし、手描きMADと融合してもいいはず。

今回は、「宇田てとらさんを憑依させる」というコンセプトで作りました。一人でも「騙せたら」成功です。なので、「あの人ならこう作るだろう」という憶測もしつつ、お燐の地獄亭に限らないいろいろなパロディを仕掛けています。

その一方で音声については、音MADの「地盤」ととらえて、余計な人力はせず、元のセリフの流れを大事にして作ることを意識しています。
あとは結構音韻を意識しています。「おっけー」→「(焼)こうぜ」とか「ナンマイダ」→「(許さ)れないんDA」とかですね。

技術

技術についても語りたいことは山ほどありますが、あえて便利だったことにしぼって共有します。

僕はAdobe CCをバリバリ使っているので割と高級な話になりますことをお許しください。

Adobe Illustratorの「ライブペイントツール」

要するに「バケツ塗り」ができるようになるツールです。今までは線のパスに重なるように塗りのパスを作っていたところを、線のパスだけつくってライブペイントで塗りつぶせば簡単に済みます。とても便利なのでIllustratorを使う人は知っておいた方がいいです(僕は恥ずかしながら知らなかったです)。

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左のパスから右のような塗りつぶしが一瞬でできるのがライブペイントツール

FLVをAnimateで読み込む

悩みに悩んで宇田てとらさんのホームページを見たらFLVが配布されていました。ものは試しと思ってAnimateで読み込んだら、思わぬ「お宝」がざっくざくでした。宇田てとらさんごめんなさい。でも、チルパとかでPV再現したい人は試すといいと思います。AnimateじゃなくてもFLV編集ソフトならいけるかも。

ともあれ、これのおかげでレイヤー構造がわかりました。これを基にしながら、今回の動画で使ったレイヤー構造はだいたいこんな感じです。

  1. 前髪:宇田てとらさんのFLASHの特徴の一つは揺れる前髪にあります。前髪だけ独立したレイヤーにすることで、前髪だけ動かすことが可能になっています。この動画でも前髪はできる限り揺らしています。
  2. 目:ここだけ変えたいという要求が頻繁に発生するので、独立したレイヤーになるのも自然です。
  3. 口:目に同じく。ちなみに、てとらさんの口の動かし方は結構拡大縮小で何とかしている印象です。
  4. 眉:目に同じく。
  5. 顔+横髪:パーツを除いた顔です。ちなみに前髪の影はこのレイヤーにあります。前髪と一緒に動いてはいませんでした。
  6. 胴体:ざっくり「胴体」でいいときが多いですが、必要に応じて腕のレイヤーが必要になります。腕のレイヤーはだいぶ位置関係が前後するのでつらい
  7. 首:胴体と分けないことのほうが多かったですが、チャージングゴーのときにスカーフを揺らすために独立させました。
  8. 後ろ髪:髪全体のシルエットを作ります。前髪と重なって良い感じになるように。

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レイヤー構造はだいたいこんな感じ

After Effectsなどのパペットワープツール

前髪を揺らしたりスカーフを揺らしたりするのに重宝しました。

説明が難しいので、画像で伝わってほしい……!

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こんな感じでピンを画像の適当な位置に立てることで、ピンとその下の画像が連動して動くようになる

 

 

 

バレパドさんしゅき

そう、そしてなんと自分の作った音MADから選曲されてしまいました!

まさか選ばれるとは思わなかったので感無量です。

なんかすさまじいクオリティにリメイクされてただただ圧倒されていましたが、それに良い刺激を受けて自分も頑張れました。

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Before

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After

 

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Before

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After

超好き!

 

付録

 

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輪郭はチャー研をトレスして、各顔パーツは宇田てとらさんのをトレスしています。



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色も、肌色だけは宇田てとらさんのところから、それ以外はチャー研からスポイトしています

 

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チャージングゴーは15フレームちゃんと全部描きました

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これはお燐をメインにトレス

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バリカンはてとらさんの絵柄を真似る余地がないので、チャー研のトレスです

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キメラチックにいろいろ組み合わせながらトレス。バリカンの口を動かすのはめちゃくちゃ難しい

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引き潮~

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ファイターはそもそもそんなにトレスできるほどフレームが割かれていない(予算不足)ので、結構自力で描くことが多かったです。この表情は諏訪子の表情から

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一番難しかった。目はだいぶオリジナルなアレンジを加えている

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一歩間違えれば鮫亀

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一番お気に入り

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手は自力で

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てとらさんだったらこういうことするでしょ

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ぶっちゃけこんなに描きたくはないんですよね。ただ一番見たい動画を作るための選択肢が描くことだから描いてるってだけで